Weirdmind Studio「The Book of Brasswail」- ジョーとハーリーン DX

 少し笑ってごらん。
すべては良くなる。
 
彼の名前はジョセフ（Joseph）だった。友達ならジョーと呼べたが、誰もジョーとは呼ばなかった。ジョーには友達など必要なかったからだ。
ロンドンは巨大な都市だが、ジョーはロンドンの姿を忘れてしまった。六歳の時、彼はロンドン最大のギャングの首領——マッド・ドッグ・ジョンに捕らえられ、下水道に放り込まれた。
下水道は工場であり、下水道は監獄であり、下水道は脱走者の墓場だ。
ジョンの下水道工場では百人の子供たちが、致命的な武器を製造する組み立て工や技術者として訓練されていた。ここでは殴打に耐え、飢えに耐え、逆境を受け入れることを学ばねばならなかった。
 
幸運にも、ジョーは生き延びた。
 
不幸にも、ジョーは生き延びた。
 
ジョーは下水道で育ったが、地獄のような幼少期が彼の表情を奪った。魂は顔と同じく麻痺し、酔った警備員に殴り殺されるまで、歯車と毒に人生を浪費すると確信していた。
ジョーは自らの運命を掌握すると決意した。自殺を決行すると決めたのだ。
自殺の考えはジョーの頭を666回よぎった。しかし錆びたドライバーで命を絶とうとしたその時、ハーリーンと出会ったのだ。
ああ、ハーリーン。彼の人生で唯一の光、バラ色の光......